【輪島塗:伝統工芸士 村木華邨氏 & 中津正克氏】燕子花蒔絵 硯箱
¥550,000
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「燕子花蒔絵 硯箱」は、本阿弥光悦の国宝《舟橋蒔絵硯箱》に見られる高度な蒔絵表現や、尾形光琳の国宝《燕子花図屏風》に息づく、日本独特の美意識から着想を得て制作された作品です。
すべてを描き尽くすのではなく、あえて余白を残す。
そこに見る人の想像力が加わることで、目の前には描かれていない景色や季節、物語までもが浮かび上がってくる。そんな日本美術ならではの「余白の美」が、この硯箱には息づいています。
制作を手がけたのは、皇室にまつわる漆器も手がけてきた「中津漆器店」の塗師・中津正克氏と、輪島蒔絵組合長も務めた蒔絵師・村木華邨氏。
中津正克氏は、自らも俳句を嗜む人物です。自宅には季節を感じさせる書を飾り、塗り物の花器にはその季節の花を生ける。日々の暮らしの中に季節と風情を取り入れてきた中津氏だからこそ、漆器を単なる道具としてではなく、そこに宿る情趣まで含めて捉えることができます。その感性は、作品全体の佇まいにも表れています。
そして蒔絵を手がけたのが、輪島を代表する蒔絵師の一人、村木華邨氏。
将棋のタイトル戦の舞台として知られ、宮崎駿監督ゆかりの「トトロの楠」でも知られる老舗旅館「陣屋」のオリジナル作品《輪島塗五段重 陣屋蒔絵》を手がけるなど、数々の作品を生み出してきた名工です。
この硯箱の大きな特徴は、金蒔絵を施した蒔絵地に、鉛の板を漆で貼り付けるという、極めて高度な技法にあります。異なる素材を一つの作品として調和させるには、表面の美しさだけでなく、その土台となる高度な技術が求められます。作品の強度を左右する「下地づくり」から、滑らかな「上塗り」、そして全体の意匠を一つにまとめ上げる塗師の力量までが問われる作品です。
輪島塗の高度な分業技術を背景に、それぞれの職人の技術が一つの硯箱へと集約されています。
選び抜かれた職人たちの技と感性が重なり合うことで、単なる「硯を収める箱」を超えた、鑑賞する愉しみを備えた作品に仕上がっています。
輪島塗は、木地、下地、塗り、加飾など、それぞれの工程を専門の職人が担う高度な分業によって支えられてきました。しかし近年、その技術を受け継ぐ職人は少なくなり、これほど高度な技術を一つの作品に結集させること自体が、次第に難しくなっています。長い時間をかけて培われてきた輪島の技と、日本美術に受け継がれてきた余白の美が、静かに響き合う硯箱です。
<商品詳細>
料金: 550,000 円 (税込)
サイズ:縦 約 237mm × 横 約167mm × 厚さ 約38mm
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